いよいよ本格的な夏がやってきます。
夏のお出かけといえば、そう!海!!!
家族と、友人と、会社の仲間と、海へおでかけするのに絶好の季節です。
お出かけが決まったその日から、ウキウキわくわくしちゃいますよね。
浮かれてしまいがちですが、実は海には、毒を持った生物がたくさんいるのです…
気付かずに触ってしまったり、近づいてしまったりすると、攻撃されて死に至ることも……。
一見、毒を持っていなさそうに見えるものでも、実は猛毒を持っていたりするものなんです。ウキウキと海へお出かけする前に、海に潜む危険な生物を知っておきましょう!
ヒョウモンダコ
鮮やかな青と黒の斑点模様が目を引くタコ。「キレイ!捕まえたい!」なんて思って触ってしまったらアウトですよ!
見た目とは裏腹に、実は海の中でも最も毒性が強い生物のひとつといわれています。
体長12~20cmと小型のタコなのですが、触れたり刺激を与えたりすると、テトロドトキシンという強い毒を持ちます。その強さは、なんと青酸カリの1200倍ともいわれているのです……
このヒョウモンダコの毒は、呼吸障害や身体の麻痺などを引き起こします。噛まれた時にはほとんど痛みがないそうなのですが、ひとたび噛まれてしまったら、数十分以内には死亡してしまうなど、かなりの猛毒の持ち主。
ヒョウモンダコに触るの、ダメ、ゼッタイ。
ハブクラゲ
沖縄や奄美に生息しているハブクラゲ。
水中をゆらゆらと漂っている姿はなんだか幻想的ですが、クラゲは毒を持っているということはみなさんご存知かと思います。
ですがこのハブクラゲ、ただのクラゲではないんです。
立方体のカサの四隅から7~8本ずつ触手が伸びていいますが、この触手に触れた小魚などの獲物を麻痺させて食べるという、なんだかちょっと怖い生き物。
このクラゲに刺されてしまうと、刺された箇所はミミズ腫れになって数時間後にはその部分が壊死してしまうという、恐ろしいクラゲなんです。
カサがほぼ透明で目立ちにくい上、小魚を求めて浅瀬まで入ってくるので、注意しないと気づかずに刺されてしまうかもしれません。
沖縄県の場合は、多くの海水浴場でハブクラゲの侵入を防止するために網が張られているそうですが、それがない海水浴場に入る際には注意してくださいね。
カツオノエボシ
別名、電気クラゲともいわれているカツオノエボシ。別名に“クラゲ”とついていますが、いわゆるクラゲの仲間ではなく、ヒドロ虫の仲間に属していて、1個体に見えるようですが実は多くのヒドロ虫が集まって形成されています。
カツオが到来する時期に海流に乗ってくること、浮袋の見た目が烏帽子に似ていることから、カツオノエボシと言われるようになったのだそうです。
浮袋から伸びた触手は平均10m(!)ほどで、長いものだと50mにもなるのだとか。
この触手が刺激を受けると、表面の刺細胞から刺胞といわれる小さな毒針が発射されます。この毒が、腫れ上がるなどの炎症を引き起こすのです。また、刺されると体に電気が走るかのような強い痛みがあります。これが電気クラゲと呼ばれる所以のようです。
普段は沖合いを漂っていることが多いのですが、風が強いと海岸のほうに吹き寄せられてしまうことがあるそうです。注意すべきはこの時!
体は透明で青みがかっているため、気付きにくいのですが、見つけたら近づかないようにしましょう。
イモガイ
貝って、基本動きも少なくおとなしいので、無害なイメージがありませんか?
しかしこのイモガイの毒をナメたらいけませんよ。
イモガイとは、イモガイ科の貝類の総称。
基本的には温かい海に生息していて、日本では沖縄や鹿児島、高知、和歌山、千葉などの暖流が通る海でみられます。
円錐型の貝殻の形がサトイモのように見えることからイモガイという名がついたのですが、貝殻の模様は個体によってさまざまです。
動作はゆっくりなのですが、鋭い毒銛をもっており、これで魚などを刺して体内に毒を注入し、麻痺させて捕獲するという恐ろしい貝なんです。
一部の魚食性のイモガイの毒は人を死に至らせるほどの強い毒を持っているものもいるので、外敵とみなされて刺されてしまわぬよう、注意が必要です。
特にアンボイナガイという種類のイモガイは、
また、抗毒血清がないため、体内で代謝して毒が抜けきれるのを待つしかないという、刺されたらアウトな生物。貝殻の模様がキレイだからって、むやみに触らないほうがよさそうです。
ガンガゼ
見た目はウニみたい。
でも、ウニよりも細くて鋭いトゲをもっており、トゲの先には毒があります。
しかも、刺されてしまうとその針をピンセットで抜くのは困難で、皮膚を切開して取り除いたほうがよいのだそう。こわっ。
キレイなものには毒がある
美しいバラにはトゲがあるように、模様がきれいな生き物ほど、強い毒を持っていたりするもの。
海へ行ってテンション上がってうっかり触ってしまわないよう、「もしかしたら毒があるかも」と疑ってみてください。
楽しいはずのお出かけが悲しい思い出になってしまわないように、毒のある生物にはじゅうぶん注意して、海を楽しみましょう!