SIMフリーが浸透し、ドコモ、au、ソフトバンクの大手キャリア3社だけではなく、実に20社以上の格安SIMの会社が登場している、まさに格安スマホ戦国時代。
月々の支払額が安くなるのはなんとなくわかる、でも、そもそも「SIMフリー」とか「格安SIM」とか「MVNO」とかよくわかんないから、キャリアのスマホを使い続けている!って方もいらっしゃると思います。筆者もそうでした。
筆者はガラケーを持ち始めた2008年から9年間、ずっとauのケータイ(スマホ)を使い続けていました。PCのネット環境を整えるため、2013年からはUQwimaxにも加入してwi-fiルーターを使い始めたので、月の支払いは1万円を超えるように。
使っている月額有料コンテンツはauスマートパスくらいで、電話もカケホーダイにはしていたものの長電話をするのはほとんど家族。家族以外、友人や会社関係の人の電話は、ほぼほぼLINE電話を使用するようになったので、月額3000円近くかかっているカケホーダイの基本料金はほとんど無駄になっていました。
それに、auスマートパスで受けられる会員特典は、カラオケのルーム料金割引をたまに使うことはあっても、月曜日の映画料金割引はほぼ使わない(月曜から映画に行っている時間的余裕がない!)し、モールで買い物やチケット予約をすることもほぼないので、有料会員なのにその恩恵をあまり受けていなかったんですよね。
追い打ちをかけるかのように、今年に入って同じくauに入っていた両親がそろって格安スマホに乗りかえ。それまで10年以上ガラケーを使っていたのですが、ついにスマホデビューをしたのです。料金の安さと、自宅で契約しているネット回線がYahoo!であることから、ワイモバイルにあっさりと乗り換えたのでした。
それまでは家族間通話は無料という恩恵を受けられていたのですが、それすら受けられなくなったら、
もう何もメリットがないじゃないですか。
それに、両親がスマホに乗りかえてLINEを使い始めたので、LINE電話で事足りるようになってしまったんですよね。
もはやauであり続けるメリットがない、ということで、思い切って格安スマホに乗りかえたのでした。
なんとなくキャリアを使い続けるのは損?
そもそも「格安SIMってよく聞くけど、あんまりわかんない」という人のために、格安SIMを解説しますね。
■格安SIMとは?
格安SIMを解説する前に、SIMカードとは何かをご説明しましょう。
SIMカードとは、私たちが普段使っているスマートフォン、タブレット、携帯電話、モバイルWi-Fiルーターなどの中に入っているICカードです。このICカードには、契約者の電話番号などの情報が書き込まれています。 モバイル回線(LTE、3G、4G など)を使ってインターネットや通話をするには、このSIMカードが必要です。ドコモ、au、ソフトバンクなどのスマートフォンには、はじめからSIMカードが入っています。
このSIMカードを挿し替えることで、機種変更をしても同じ電話番号を使い続けることができ、簡単に機種変更をすることができます。
しかし、大手キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク)から販売されている端末には、そのキャリアのSIMカードでしか通信ができないようにロックがかけられているのです(SIMロック)。
しかしこの制度、ユーザーである私たちにとっては選択肢を狭めることになりますし、事業者にとっても、事業者間の競争が促進されないことが懸念されていたのですが、2015年5月、SIMロック解除が義務化されました。
これにより、使っている機種はそのままに、SIMカードの挿し替えをすることで通信料の安い事業者を自由に選ぶことができるようになりました(ロックの解除には料金がかかることもあります)。
これらの事業者は、ドコモやauの通信回線を借り受けて通信サービスを提供しています。通信料金は事業者が自由に設定することができるので、大手キャリアの月額料金よりも安く、インターネットや音声通話を利用できるので、「格安SIM」と呼ばれているわけですね。
で!ここからが本題。
これだけ多くの事業者が参入してきている業界ですから、どれを選べばよいかわからない、という方も多いでしょう。
「格安スマホ 比較」と検索すると、多くの比較サイトやレビューを見ることができます。
ただし、通信速度の比較などがとかぶっちゃけよくわかんないし、通信速度とかこだわりはないので、とにかく格安SIMにすると何が変わるのかを知りたい!という方のために、格安SIMに乗りかえてみて、実際どうだったか、という話をしましょう。
正直な話、通話もインターネット通信も、なんら変わりはありません。
筆者が契約したのは、データ通信2Gプラス音声通話(1回5分以内であれば何回かけてもOK)のプランで、月々1980円(税抜)。
使い始めて2週間、音声通信も音質は普通だし、聞こえづらい、途中で途切れるなどの問題もありません。
通信に関しても、もともとUQwimaxを利用(使い放題プラン)しているので、常にwi-fiに接続しているため、2Gあれば十分。データ通信で動画を視聴などしたらあっという間に2Gなんて消費してしまいますが、wi-fiに接続していればそんな心配はありません。ルーターの契約をしていなくても、家にwifi環境があるという方は、家ではwi-fiに接続して、外では動画の視聴などを控えればデータ通信は2G で十分でしょう。
ただし、この料金プランに抑えるにはwi-fi環境があるということが前提です。データ通信量を最低限に抑えているので、wi-fi環境がなくて頻繁に動画の視聴やSNSへの写真の投稿を行う人は、2Gじゃ収まらないでしょうから、ご自分のデータ通信量にあったプランを選びましょう。
通常の音声通話はもちろん、LINE電話の音質もキャリアのスマホで使っていたときとなんら変わりありませんでした。
筆者は乗りかえに伴い機種変更もしたので、使い慣れたスマホとの操作の違いに少し戸惑いましたが、慣れればなんてことありません。
アンドロイドは格安スマホ各社から新機種が続々登場していますが、UQモバイルはiPhone(iPhoneSE)の取扱もあります。ただし、現段階での最新機種iPhone7は対応機種ではないため、注意が必要です。でも、iPhone7は薄くなったもののサイズ感が大きいので、サイズとしてはSEのほうが使いやすい、との声も上がっていた模様。グレードはiPhone7と遜色ないそうですので、使い慣れたiPhoneがいいという方にはおススメです。
また、気になるデータ使用量は専用アプリでチェックすることができるので、今月の残り容量も一目でわかりますよ。
もし、このままだと月末までデータ通信量がもたない!なんて時は、データ容量を追加で買うことができます。500MB単位で買うことができるので、使う量に応じて買えば無駄がありません。また、使い切らなかった分は90日まで繰り越しすることができるので、翌月余分に使うことができます。これもまた無駄がないので嬉しいですよね。
使ってみて特に不便さは感じていなかったですし、月々の料金も5000円ほど安くなりましたから、この時点で筆者は「格安に乗りかえてよかったー」と思っています。
しかし、一方で感じた不満や不安もあります。
■不満:LINEの年齢認証ができない
まず第一にこれが一番不便だったというのが、LINEの年齢認証。
LINEは友だち追加のためにID検索をする際、青少年保護の観点から18歳未満のユーザーはID検索ができない仕様になっています。
この年齢認証ですが、キャリアのシステムと連動して契約者の情報を紐づけているため、格安SIMのユーザーは年齢確認をする術がないのです。
仕事やSNSでLINEのIDを交換して、せっかく相手のLINEのIDをもらっても、検索して友だちに追加することができないのです。
じゃあ自分のIDを検索してもらえばいいじゃん、と思うじゃないですか。
ここでさらに壁にぶつかるのですが、機種変更をしてLINEをインストールすると、初期設定の段階で「IDによる友だち追加を許可」がオフになっているんですね。これをオンにしようとすると、ここでまた年齢認証が入ってしまうんです…
だから、ID検索をすることも、してもらうこともできないんです。
これの解決策としては、相手に自分のQRを読み取ってもらう、または相手のQRを読み取る、またはふるふる機能を使うといったことが挙げられます。
でもこれって、相手と対面していないと難しいですよね…
そこで究極の解決策が、PC版のLINEを使うこと。
お仕事でPCを使う方は、PC版のLINEを使っていらっしゃる方も多いのではないでしょうか?
PC版だと年齢認証がないため、ID検索をして友だち追加をすることができます。
いちいちPCを立ち上げなければならないという手間がかかってしまうので、若干面倒くさいですが、これが最も手っ取り早い方法です。PC版だからといって自分のID検索の許可ができるようになるわけではないので、相手のIDを検索して追加するしかありませんけどね。
また、大手キャリア以外では唯一、LINEモバイルに加入すれば年齢認証をすることができます。これはまあ、当然といえば当然でしょうか。
■不安:保障がない
大手のキャリアであれば、故障や不具合が起こった際には、キャリアショップに駆け込みますよね。月額料金に保証金も入っている場合もあるため、場合によっては修理などを無償でしてもらえたり、代替機を貸し出してもらえたりと、手厚い保障が受けられます。
しかし、格安SIMの場合はその保証がない場合が多いです。
UQモバイルの場合は月約400円を支払えば、電気店などで端末の故障や不具合などに対応してもらえますが、基本的に十店舗を運営している事業者は少なく、相談やサポートはメールや電話での対応になります。詳しくない人にとっては不安ですよね…
よりよいサービスを受けようと思ったら、キャリアのスマホを使い続けたほうが良いかもしれません。
結論:安さを求めるなら格安SIM、キャリアを使い続けるならサービスをとことん使い倒すべし
格安SIMのスマホに乗りかえて感じたことをありのままにご紹介してきましたが、
結論、「好きにしたらいい」と思います(投げやりのようですが)。
安さを重視するならば、キャリアでかかる月額料金よりも安く抑えることができます(auから7月に1980円~の格安プランが発表されましたが)。
ただ、保証やキャリアならではのサービスが使えなくなるのは不便。キャリアを使い続けるのであれば、月額有料で入っているサービスはとことん使って、キャリアのユーザーだからこそ受けられるサービスをとことん受けたほうがよいでしょう。
たとえば、au ならauスマートパス。
映画の鑑賞料金がお得になる日に映画を観に行ったり、モールでお得に買い物をしたり、曜日ごとに指定のお店に行って特典の商品をもらったりなど、その気になれば受けられるサービスはたくさんあるんですよね。
これらをうまく使いこなせば、月額料金分のサービスは享受できるかもしれませんからね。
キャリアメニューを全然使ってない!という方は、潔く格安スマホにしたほうがよさそう。月額料金が今の半分に抑えられるかもしれませんからね。
あなたのライフスタイルにあった通信会社と料金プランを選んで、無駄のないスマートなスマホライフを手に入れましょう♪