「日本のソウルフード」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
ラーメン、うどん、カレーライスなどなど、数え上げたらキリがないほどたくさんの名前が挙がりそうですが、焼き鳥も日本のソウルフードのひとつに数えられるのではないでしょうか。
飲み屋街には焼き鳥専門店が立ち並び、居酒屋の定番メニューでもあるなど、飲みの場では外せない、私たちの生活に馴染み深いメニューですよね。牛肉や豚肉に比べて鶏肉は安価なので、焼き鳥1本の値段がお手頃なものも多く、B級グルメの王様と言っても過言ではありません。
そんな焼き鳥ですが、焼き鳥屋に入ると、そのメニューの豊富さに驚きませんか?
手羽先とかつくねとかレバーとか、ビジュアルがイメージできるものもあれば、名前を見ただけではそれがどこの部位でどんな味なのか、さっぱりわからないものもあるのではないでしょうか?
分かるものは分かるけれど、分からないものもあるから、いつも食べてる安定のやつしか注文しない。
ほとんど分からないから、とりあえず盛り合わせを注文する。
わからないからテキトーに注文する
などなど、いろんな意見が聞かれますが、あなたはその焼き鳥、どこの部位だか分かってますか?
「部位と美味しさを分かって注文している」人は少ないのでは?
とりあえず盛り合わせを注文しておけば間違いないっしょ、ではもったいない!
部位と特徴、美味しさを知れば、焼き鳥をもっと楽しめるはず。
そこで、知っているようで知らない、焼き鳥の部位を特徴とともに解説しちゃいます。これを読めば、今まで食べたことのなかった部位にもチャレンジしてみたくなるかも?
焼き鳥の部位は大きく分けて2つ
メニューが豊富な焼き鳥ですが、その部位は大きく2つに分けられます。
「正肉」と「内臓(ホルモン)」です。この2つに当てはまらないものが、皮や軟骨となります。
■正肉
●もも
名前のとおり、鶏の足の部分の肉。よく動かすため引き締まっていますが、適度に脂肪もあってコクがあるのが特徴です。から揚げなどでもよくつかわれる部位ですね。
●むね
脂肪が少なく、あっさりとしているのが特徴です。
●ささみ
むね肉の内側にあり、形が笹の葉に似ていることからこの名前がついたささみ。脂肪が少ないので、ダイエット中の人も好んで食べられる部位でもあります。
●せせり
首の筋肉の部分の肉がせせり。一羽からわずかしか取れない、貴重な部位でもあります。よく動く部分でもあるので身が締まってはいますが、実はもも肉よりも脂身が多いのです。弾力のある食感が人気の部位です。
●手羽
羽根の部分にあたる手羽は、先、中、元と分かれます。ゼラチン質や脂肪が多い部分です。
●ねぎま
もも肉、またはむね肉とネギを交互に挟んだ串です。もともとは、鶏肉ではなく鮪を挟んでいたのだとか。「ネギ」と「マグロ」の名前から取って「ねぎま」とつけられたそう。代用品として使われた鶏肉が定着して、今に至るようです。
●つくね
首の部分のひき肉を成形したもの。「捏ねる(つくねる)」が語源になったとも言われています。ネギや軟骨などを混ぜ合わせて、オリジナルのつくねを提供しているお店も多く、そのお店のこだわりが現れるメニューでもあります。
●ぼんじり
尾骨の周りのお肉です。脂肪が多めでジューシーな味わいと、ほどよく弾力のある食感も人気。
●ハラミ
ハラミといえば横隔膜の肉のことですが、牛や豚と違って横隔膜のない鳥にもハラミという部位は存在します。鶏の場合は腹膜と呼ばれる部位がハラミにあたります。一羽からわずかしか取れない希少部位で、ホルモンのような食感が人気です。
■内臓(ホルモン)
ホルモンって、名前を一見しただけではどこの部位だか分からないものが多いですよね。分からないゆえに、手を出したことのない部位もあるのでは。でもそんな部位こそ、食べたらハマってしまうこともあるかもしれませんよ?
●砂肝
鶏の胃が砂肝です。見た目はレバーにも似た色をしていますが、食感はレバーとは全く違い、軟骨に近いコリコリとした食感。
鶏の肝臓です。ねっとりとした食感と味に、好みが大きく分かれる部位でもありますよね。クセがあるので、タレで食べたほうがよいかもしれません。
●ハツ
「ハート」が転じて「ハツ」となった、心臓の部位がハツです。弾力のある食感で、見た目はレバーにも似ていますが、レバーよりもクセがなく食べやすい部位です。
●ハツモト
心臓の根元の、血管がつながる部分です。希少部位のため、1串作るのに5~6羽必要になります。歯切れのいいサックリとした食感が特徴です。
●さえずり
鶏の食道。弾力のあるコリコリとした食感が特徴です。
●えんがわ
砂肝の壁面の部分を集めて串に刺したものが、えんがわです。刺身や寿司ではよく知られるえんがわですが、焼き鳥にもあるんですね。砂肝よりも少し固めのコリコリ食感のファンも多いようです。
●背肝
背肝とは、鶏の腎臓のこと。1羽から2つしかとれない貴重な部位なので、一般的に出回ることが少ないので、食べられたらラッキーかも?ぷりぷりフワフワの不思議な食感です。見た目はレバーのようにも見えますが、生臭さも少なく、脂に甘味があるので食べやすい部位ですよ。
タレ派か、塩派か
焼き鳥屋さんの多くは、味付けをタレか塩で選べます。
もちろん個人の好みはありますが、部位によってはおすすめの味付けもあったりします。
例えばレバー。独特の生臭さがあるので、タレで食べたほうがクセを感じにくくなりますよ。
例えば砂肝。コリコリ、シャキシャキとした独特の食感の砂肝は、咀嚼の回数も増えるので、塩でシンプルに味付けされたほうが飽きずに食べられます。
「この部位はこっち!」というお気に入りの食べ方を見つけてみるのもまた、楽しいですよ♪
部位を知って広げる、焼き鳥の世界
いかがでしたか?
今まで「どんな味か、どんな食感か想像つかないから、安定のやつ頼んどこう」という食べ方をしていたあなた。
もったいないですよ?
種類が豊富で奥が深い焼き鳥の世界。あなたも一歩、足を踏み入れてみてはいかが?