今年、デビューから25周年を迎えた人気ロックバンド、Mr.Children(通称ミスチル)。
デビューから25年、メンバー全員47歳という年齢にも関わらずこのダイナミックなジャンプですよ、若々しすぎでしょ……
まさにミスターでチルドレンな方々ですよね。
1992年のデビューから、1990年代、2000年代、2010年代と、どの年代でもヒット曲を世に送り出している、まさにヒットメーカーの彼ら。デビュー当時からMr.Childrenとともに時代を歩んできた40~50代のファンから、両親がファンで、自分も幼いころからMr.Childrenの音楽に触れてきている10代の若いファンまで、とにかく幅広い年齢層のファンに愛されています。
ライブ会場では、親子で観にきたという人もよく見かけられるほどです(子の年齢は小学生~20・30代くらいまで、これまた幅広い)。
今年25周年を迎えたドコモとMr.ChildrenのタイアップCMが感動的と、ネット上でも大きな反響を呼びました。
90年代にはミリオンヒットを連発し、モンスターバンドと呼ばれるほど、常に日本の音楽業界のトップに君臨し続けてきたMr.Childrenですが、実際みなさん
「桜井さん以外のメンバーは分からない」
「そもそもミスチルって何人組のバンドなの?」
「あれでしょ?果てしない闇のむこうに~\オッオー/手をのばそ~♪でしょ?」
くらいにしか、Mr.Childrenのこと知らないんでしょう?
そんな『ミスチルよくわかんない勢』の皆さんに、GIGI編集部きってのミスチルファンの筆者が、Mr.Childrenの魅力をたっぷりお伝えします。
Mr.Childrenのメンバー構成
ボーカルの桜井さん以外よくわかんない、というみなさんのために、まずはMr.Childrenのメンバーをご紹介します。
■桜井和寿(ボーカル・ギター)
Mr.Childrenのほとんど全ての楽曲の作詞作曲、また、ボーカルを担当する桜井さん。
1970年3月8日生まれ。
東京都練馬区出身で、中学時代は落語研究会に所属していたそう。
影響を受けたアーティストは浜田省吾さん。
ギターの田原さん、ベースの中川さんとは中学時代の同級生。
■田原健一(ギター)
ギターの田原健一さん。
1969年9月24日生まれ。
ファンの間では「皇帝」というあだ名が付けられるほど、皇帝感がすごい。
1994年にレコード大賞を受賞した「innocent world」のイントロのギターのリフは、田原さんが作った。
夏のライブのステージでもほぼ長袖の衣装を着用。
■中川敬輔(ベース)
ベースの中川敬輔さん。通称ナカケー。
1969年8月26日生まれ。
阪神タイガースと競馬が大好き。
おとなしいが、ライブで見せるアグレッシブでアツい演奏とのギャップがたまらない。
■鈴木英哉(ドラム)
ドラムの鈴木英哉さん、通称JEN(ジェン)。
1969年11月14日生まれ。
メンバー唯一の独身。
「思春期の夏~君との恋が今も牧場に~」「逃亡者」ではボーカルを務めている。
ミスチルファンではない人から見ても「あのドラマーなんかすげえ」と言わしめるアツいドラムプレイ。桜井さんいわく「顔で歌うドラマー」。
メンバー全員、同い年。結成は1989年ですが、ドラムのJEN以外は同じ中学、桜井さん以外が同じ高校で、4人の付き合いは30年以上と実はとっても長いんですよね。
出会ってから30年以上経った今でも仲良しの4人。そんなMr.Childrenの魅力とは?
桜井和寿の言葉遊びがスゴイ
Mr.Childrenのほぼ全ての楽曲の作詞・作曲を手掛けているのが、ボーカルの桜井和寿さん。
胸と目頭が熱くなる歌詞とメロディーで、名曲と言われる楽曲の数々を生み出してきた桜井さんですが、彼の言葉遊びは、発見すると思わずニヤっとしてしまうようなところに隠されているのです。
例えば、1993年、Mr.Children初のミリオンセールスを記録した4枚目のシングル、CROSS ROAD。
lookin’ for love 今建ち並ぶ街の中で
口ずさむ『ticket to ride』
あきれるくらい君へのメロディー
これは分かりやすいですね。
lookin’ for loveの「love」と、「建ち並ぶ」の「らぶ」で韻を踏んでいるんですよね。
そしてまたまた次のフレーズで、
『ticket to ride』の「ride」と、「あきれるくらい」の「らい」で韻を踏んでいるんです。
この短いフレーズの中だけでも、驚くほど自然に、こういった言葉遊びを織り交ぜてくるんですよね、桜井さんって。
これまたMr.Childrenの初期の名曲、my lifeの一節では、
62円の値打ちしかないの?
僕のラブレター読んだのなら
返事ぐらいくれてもいいのに
なにげなく歩道を歩けば
壁の破れた映画のポスター
君を誘って断られたっけ
こちらは先ほどのCROSS ROADとは違い、少し距離が離れているのですが、
「ラブレター」と「破れた」で韻を踏んでいるんですよね。
桜井さんの言葉遊びは、ただ韻を踏むだけにとどまりません。
2007年発売の、彼らの30枚目のシングル、フェイクでは、こんな言葉遊びをしているんです。
ほっぺたから横隔膜まで誰かを呪ってやるって気持ち膨らまし
一見、どこも韻を踏んでいる箇所なんてないように聞こえます。しかしこれ、
ほっぺた=ツラミ(ホホ肉の通称)
横隔膜=ハラミ(横隔膜の肉の通称)
呪って=ウラミ(恨み)
って、裏で韻を踏んでいるんです。
恐るべし桜井和寿。
文字にすると分かりづらいのですが、聴いてみるとすぐに分かっちゃうので、ぜひ聴いてみてください。思わずニヤっとしてしまいますから。
楽曲の振り幅がすごい
ミスチルと聞いて、あなたはどんな楽曲を思い浮かべますか?
2001年以降、ツアータイトルにPOPSAURUSと銘打つほど、ポップに振り切った楽曲の数々を生み出してきた彼らですが、ロックでダークな曲もたくさんあるんです。
シーラカンス
ニシエヒガシエ
Dance Dance Dance
など、90年代の曲はもちろん、
Worlds end
Monster
少年
REM
I can make it
など、2000年代、2010年代にもロックな楽曲を送り出しています。
これらはライブで演奏されると盛り上がり間違いなしの楽曲ばかり。
かと思えば、
君が好き
and I love you
しるし
365日
このあたりは、聞き覚えのある方も多い楽曲では?
泣かせにかかってくるラブソングもたくさんあるし、特に2000年代以降でミスチルの音楽に触れた人からすると、このあたりの曲が「The・ミスチルの曲」みたいなイメージを持たれるのではないでしょうか。
しかし、これだけじゃないのがMr.Children。さらに、ライブで盛り上がること間違いなしの、キラキラとしたポップな曲までできちゃうんです。
シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~
エソラ
Marshmarrow days
運命
手拍子必至のこれらのポップソング。でも、上に挙げたうちシーソーゲーム以外はアルバム曲であり、シングルカットされたものではないんです。
これだけ大衆ウケするキャッチーな曲がシングルじゃないんですから、それがまた驚きです。
ロックもポップもバラードも。ライブとなると、それらの楽曲を織り交ぜた緩急のあるセットリストと全身全霊のパフォーマンスで観客を魅了します。同じアーティストの曲とは思えないほど、楽曲の振り幅がとことん大きいことが、彼らの魅力のひとつと言えるでしょう。
音域の広さがすごい
Mr.Childrenの楽曲は、曲によっては音域の広さがハンパじゃないんです。
例えば、2012年にリリースされ、映画『僕等がいた(前編)』の主題歌にも起用された祈り~涙の軌道なんかは、一番低い音と一番高い音では、2オクターブ以上も離れているんです。
そう、ここからここまで。
低いところはめちゃめちゃ低いので、カラオケで女性が歌うにはかなりキツい音域です。
Aメロは低すぎてほぼほぼ歌えないという悲劇が起こるのですが、これがサビになると一変、今度はめちゃめちゃ高いんです。これがまた、女性でもキツいくらい高いんですよね。
もちろん地声では限界があるので、桜井さんも裏声になるのですが、この裏声がまた色っぽいんです……
曲に合わせて、力強く歌うところ、優しく歌うところなど、曲によっていろんな声の表情を見せる桜井さんの歌声もまた、彼らの魅力のひとつです。
やっぱり歌詞がすごい
そしてなんといっても、Mr.Childrenの魅力は、胸を熱くさせ、心を動かされる歌詞にあるのではないでしょうか。
失恋した時、大切な人のことを思いだした時、何かと戦っている時。いろんな場面で彼らの曲を聴くと、励まされたり頑張ろうと思えたり、その時々で自分に寄り添ってくれる曲が、そして歌詞があるんです。多くの人の心を動かしてきた、グッとくる歌詞をいくつかご紹介しましょう。
登ったとき気持ちいいもんな
まだ限界だなんて認めちゃいないさ
ー 終わりなき旅(1997年)
共に生きれない日が来たって
どうせ愛してしまうと思うんだ
ー しるし(2006年)
愛はきっと奪うでも与えるでもなくて
気が付けばそこにあるもの
ー 名もなき詩(1995年)
叶いもしない夢を見るのはもう
辞めにすることにしたんだから
今度はその冴えない現実を
夢みたいに塗り替えればいいさ
ー 蘇生(2001年)
悩んだ末に出た答えなら
15点だとしても正しい
どんな不幸からも喜びを拾い上げ
笑って暮らす才能を誰もが持ってる
ー CENTER OF UNIVERSE(2000年)
ここでは紹介しきれないくらい、まだまだたくさんの素敵なフレーズがあるんです。
なんてったって、Mr.Childrenが世に発表している曲は250曲以上もあるんですから。
どんなシーンでも、その時の心境にピッタリ合う歌詞で私たちの心に寄り添ってくれる彼らの曲は、まさに心の常備薬と言えます。いつでもカバンに、そしてポケットに入れて持ち歩きたい、そんな曲がたくさんあることが、彼らの最大に魅力と言えるでしょう。
進化し続けるモンスターバンド
いかがでしたか?
ミリオンヒットを連発し、「モンスターバンド」と呼ばれるほど、日本の音楽業界をけん引してきたMr.Childrenですが、リリースしてきた名曲たちは今も色あせることなく、さらに今でも多くの人の心を動かし、寄り添う名曲を世に送り出し続けています。
彼らの進化はまさに、留まることを知りません。
デビュー25周年の今年はすでに2枚のシングルをリリース。それぞれNHKの朝ドラ、そしてベストセラー小説の映画作品の主題歌になっており、多くの方の耳にも届いているのではないでしょうか。
まだまだ続く、Mr.Childrenのアニバーサリーイヤー。
これを機に、あなたもMr.Childrenの世界にどっぷり浸かってみてはいかがですか?